このような取り組みは、HABAねっとでは「第2段階 体質改善」としてお手伝いしています。→ サービスの詳細
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01 概要
| 想定する企業規模 | 従業員約45名・中小製造業(外注先5社と継続取引) |
|---|---|
| 該当する段階 | 第2段階 体質改善(外注先との情報共有) |
| 課題 | 発注と納期の管理が、調達担当(Rさん)の電話・メモ・メールだけで回っている。担当者がいないときに情報が途切れ、製造計画に影響が出やすい |
| 取り組み内容 | Googleスプレッドシートで「外注管理台帳」を作り、外注先には見るだけの権限で共有する(外注先の入力はなし)。担当者が毎日更新する流れを根付かせる |
| 成果 | 確認の電話が週20件→週3件。納期が原因の製造計画変更が月4件→月0〜1件。担当者の確認の時間が1日1.5時間→20分ほど |
本モデルケースは、社内の取り組みが根付いた企業が、次に外注先との情報共有に手をつける、という典型的なパターンを描いている。発注と納期の管理が特定の担当者の電話・FAX・メールに偏っている状態から、「外注管理台帳」を共有することで、相手先に負担をかけずに情報を見えるようにするケースだ。
02 取り組み前の課題
このような企業では、外注先数社との発注や納期のやり取りを、調達担当者が電話・FAX・メールで一社ずつ行っていることが多い。情報は担当者のメモ帳とメールにたまり、ほかの人には見えない。
| 課題 | 詳細 |
|---|---|
| 確認の電話が多い | 入荷の予定、発注の確認、変更の確認で週20件以上の電話があり、担当者の時間の2割ほどを占めることもある |
| 担当者がいないと止まる | 調達担当が休んだり早く帰ったりした日に、変更の連絡が製造チームに届かず、計画が変わる。納期が原因の計画変更のうち、かなりの数がこの形になりやすい |
| 情報が一人に集まっている | 情報が担当者のメモとメールにしかない。管理職や製造リーダーは、外注の状況を知るたびに担当者に聞くことになる |
| 有給が取りにくい | 担当者本人が「自分がいないと回らない」と感じて、休むことに気が引けてしまいやすい |
担当者が抱え込んでいるのではない。情報を置く場所が担当者の手元しかなかった、という仕組みの問題である。
03 このケースでのHABAねっとの関わり方
外注先とのやり取りを変えるときは、「相手にも協力してもらう必要がある」という点が壁になりやすい。外注先は別の会社で、新しいツールへの登録や入力をお願いしづらい。
そこでこのようなケースでHABAねっとが大切にするのは、「外注先には何もお願いしない形」から考えることだ。更新は自社で行い、外注先は見るだけにする。
Googleスプレッドシートを使う理由は3つある。見るだけの権限で共有できること、自社の入力の手間が小さいこと、今ある発注の情報をそのまま移せることだ。高機能なシステムよりも、「誰でもすぐ使える」ことを優先する。
ただし、共有の範囲には気を配る。外注先ごとにシートを分け、ほかの会社の発注情報が見えないようにする。「リンクを知っていれば誰でも見られる」設定は避け、共有する相手とリンクの扱いを前もって決めておく。
04 取り組みの内容とプロセス
形を決める
(7列だけの簡単な形)
見るだけで共有
(2週間試す)
担当者の毎日の更新
を習慣に
台帳を直接見る
形へ
ほかの人が
対応できる形へ
台帳の列(外注先名・発注番号・品番・発注日・入荷予定日・実際の入荷日・備考)は、あえて少なくしておく。最初から細かい列を足すと更新の手間が増え、いずれ更新が飛びはじめる。「毎日更新できる列だけ」から始めて、必要になったら足していけばよい。
05 成果・数値
導入前:週20件
導入前:月4件
導入前:約1.5時間
導入前:取りにくい
| 指標 | 導入前 | 6ヶ月後 |
|---|---|---|
| 確認の電話の件数 | 週20件 | 週3件 |
| 納期が原因の製造計画変更 | 月4件 | 月0〜1件 |
| 担当者の毎日の確認の時間 | 1日約1.5時間 | 20分ほど |
| 外注先の手間 | 電話・メールの対応のみ | 増えていない(見るだけ) |
06 このモデルケースの示唆
外注先とのやり取りを変えるときに大切なのは、「相手に負担をかけない」ことだ。外注先や取引先には、こちらの都合でシステムを使う義務はなく、入力をお願いすると関係に影響することもある。「自社が更新し、相手は見るだけ」という、手間をこちら側に寄せた形は、最初の一手として始めやすい。
また、情報を共有する道具は「高機能なもの」より「誰でも開けるもの」を選ぶ。スマートフォンからでも確かめられる、といった引っかかりの少なさが、外注先が自分から使ってくれることにつながりやすい。
07 今後の展開
外注管理台帳が根付くと、このようなケースでは製造リーダーが台帳を直接見て、朝の計画を立てるようになる。調達担当への問い合わせも大きく減り、担当者は空いた時間を、発注の精度を上げることや新しい外注先探しに使えるようになる。
その先は、外注先からの「入荷しました」の連絡を、メールではなく台帳の備考欄に書いてもらう、という話が出てきやすい。外注先が「台帳に書いたほうが楽だ」と感じてから入力の決まりを足すと、無理なく進む。
08 同じ課題を抱える方へ
「外注先との情報共有」と聞くと、EDI(会社どうしで注文などを電子的にやり取りする仕組み)や専用のシステムを思い浮かべて、気が重くなる方も多いと思います。
でも、担当者のメモやメールにある情報を、誰でも見られる場所に移すだけで、状況が大きく変わることは少なくありません。まずは「外注先との情報のうち、担当者にしか見えていないものはどれか」を、書き出してみてください。そこが出発点になります。
HABAねっとでは、担当者に偏った手間や情報を整え、元に戻らない形にする支援を「第2段階 体質改善」としてお手伝いしています。
素早く、手早く、滑らかに。
