中小製造業のDX10ステップ ステップ10「継続的改善 DXを止めない仕組み」のアイキャッチ。青い光に照らされた工場の内観

【モデルケース】KPIを四半期ごとに見直し、DX改善ログ32件を蓄積 ― 中小製造業60名規模・継続的改善による自走型DX定着

本レポートは、中小製造業のDX推進でよくある課題と解決の流れを、HABAねっとの支援経験をもとに再構成したモデルケースです。特定の実在企業の事例ではなく、登場する企業・人物・数値は典型的なパターンを示すために構成したものです。

このような取り組みは、HABAねっとでは「社外IT顧問契約」としてお手伝いしています。→ サービスの詳細

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モデルケース概要

業種金属部品の受注製造
想定する企業規模約60名(製造・調達・品質管理・営業)
該当する段階継続 社外IT顧問契約(仕組みが一通り整ったあと、改善が止まりかけた段階)
支援期間約6ヶ月(定期的に同席し、一緒に歩む)
関わる人経営者、DX推進担当、各部署のリーダー

01 | 課題の背景

このような企業では、約1年半かけて、KPIの管理、改善提案カード、DX定例会、外注管理台帳といった仕組みが一通り整う。経営者は「ようやく形になった」と感じることが多い。

しかし数ヶ月後の定期ミーティングで、DX推進担当からこんな声が出る。「改善提案カードに上がってくる内容が、数ヶ月前と変わらない。同じ課題が何度も出てくる」。経営者も、「KPIのシートが決めたときのままだ。実態に合わない指標が残っているのに、誰も見直していない」と感じはじめる。

仕組みは動いているのに改善が止まるのは、「仕組みそのものを見直す機会がない」ことが原因であることが多い。DXを「完成させるもの」と捉えているため、仕組みを更新していく習慣がまだないのだ。誰かが怠けているわけではない。


02 | 取り組み前の状態(Before)

領域 取り組み前の状態
KPIの管理 決めたときのまま更新されず、実態に合わない指標がいくつも残っている
改善提案 同じ課題が何度も上がる。解決したはずの課題もまた出てくる
情報の集め方 ほかの会社の事例や新しいツールの情報に触れる機会がない
試したことの記録 試したことの記録がなく、過去のうまくいかなかった経験が引き継がれない
社内の受け止め方 「DXは終わった」という空気が広がりはじめている

03 | このケースでのHABAねっとの関わり方

これまでに整えてきた仕組みは、「いまの仕事をきちんと回す」ためのものだ。

この段階ではそこから一歩進んで、「仕組みそのものを見直し続ける」習慣をつくる。とはいえ中小製造業では、新しいツールややり方をいきなり全社に入れるのは難しい。

そこでHABAねっとは社外IT顧問として定期的に同席し、「小さく試して、記録して、四半期ごとに判断する」という流れが社内の決まりになるまで、一緒に歩む。無理のない改善は、この流れから生まれてくる。


04 | 取り組みのプロセス

時期 したこと
1ヶ月目 「四半期DXレビュー」の進め方を決め、第1回の準備を始める。KPIを一つずつ見直し、やめる候補を洗い出す
1〜2ヶ月目 「DX改善ログ」の書き方を決め、これまでに試したことをさかのぼって整理する
2ヶ月目 定例会に「ほかの会社の事例紹介」3分の枠を足す。最初はDX推進担当が話す
3ヶ月目 第1回の四半期レビューで、KPIを3項目やめ、2項目を更新する。現場からは「すっきりした」という声が出る
4〜5ヶ月目 ほかの会社の事例(声で入力する作業記録)をきっかけに、製造部門で試しに使いはじめる
6ヶ月目 第2回の四半期レビュー。改善ログは32件になり、試しに入れた2件が本格的に使われはじめる

05 | 取り組み後の成果(After)

やめた・更新したKPI

5項目

3項目をやめ、2項目を更新

DX改善ログの件数

32件

うまくいった18件・やめた14件

試しに入れた新しいツール

2件

ほかの会社の事例がきっかけ

四半期レビュー

社内の決まりに

2回実施し、続けている

指標 取り組み前 6ヶ月後
実態に合わないKPIの整理 0件 → 5項目(3項目やめ、2項目更新)
試したことの記録 なし → 32件
ほかの会社の事例から生まれた試み 0件 → 試しに入れたもの2件
DXの受け止め方 「終わった」 → 「まだ続いている」

06 | このモデルケースの示唆

「四半期DXレビュー」で大切になるのは、「やめる勇気」だ。足すことと広げることだけを話し合っていると、形だけの仕組みが少しずつ積み重なっていく。「今も使われているか」「実態に合っているか」を確かめる場を決まって持っておくと、仕組みが生きたままになる。

「DX改善ログ」は、うまくいかなかったことも記録しておくところに意味がある。「やめた理由」が残っていれば、同じつまずきを繰り返さずに済む。一度やめた試みが、時期を変えて見直されることもある。

「ほかの会社の事例紹介」は、社内から改善のアイデアが出にくくなったときに役に立つ。現場の人が気づきにくい「思いもよらない選択肢」をときどき持ち込むと、改善の幅が広がる。話す人の負担を軽くしておくこと(3分・1件・何でもよい)が、続けるためのコツになる。


07 | 今後の展開

このようなケースでは、声で入力する作業記録を試したあと、製造現場のデータをより正確に集めることが次の課題になりやすい。またDX改善ログがたまっていくと、「次に試すこと」の候補がいつも手元にある状態になり、改善が止まりにくい会社に近づいていく。


08 | 同じ課題を抱える方へ

「仕組みは整ったけれど、改善が止まってきた」「DXが終わったような気がする」。仕組みがひと通りそろったころに、よくうかがうお話です。ここまで来られたからこそ、見えてくる課題でもあります。

四半期ごとの見直し、試したことの記録、ほかの会社の事例紹介。どれも新しいツールは要らず、少ない費用で始められます。仕組みをときどき見直す習慣ができれば、DXは社内で回り続けやすくなります。

HABAねっとでは、定期的に同席して、仕組みの見直しを一緒に回す支援を「社外IT顧問契約」としてお引き受けしています。

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