
社長、いつも経営お疲れ様です。「会社のIT化を進めたいが、何度かうまくいかなかった」というお悩み、お伺いしました。
導入したITツールが現場で使われなかったり、かえって仕事が増えてしまったり、期待したほどの効果が出なかったり。
なぜ、そうなってしまうのか。
その原因は、導入したツールそのものではなく、もしかすると「業務設計(ぎょうむせっけい)」というステップが抜けていたからかもしれません。
業務設計とは何でしょうか?
難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば「会社の”仕事の流れ”を、目的達成のために最適な形にデザイン(設計)し直すこと」です。
もう少し具体的に言うと、
- 現状の「見える化」: まず、今「誰が」「いつ」「何を」「どのように」やっているのかを、すべて洗い出して”見える化”します。
- ムダ・ムリ・ムラの発見: 見える化すると、「この作業、本当に必要?」「ここの承認、時間がかかりすぎじゃない?」「あの人にしかできない仕事(属人化)が多いな」といった問題点が見えてきます。
- 理想の姿(To-Be)を描く: それらの問題点を解決した「あるべき仕事の流れ」を考えます。
- 実行計画: その「あるべき姿」を実現するために、具体的な手順やルールを決めていく。
これが業務設計という行為です。
なぜIT化の前に「業務設計」が必要なのか
社長がお持ちの資料(添付ファイル)には、IT化やDXが失敗する多くの理由が書かれていますね。 実は、その多くが「業務設計」を行わなかったことに起因しているんです。
失敗例1:非効率な業務をそのままIT化した
資料にある「既存の業務プロセスを根本的に見直さないままデジタル化する」 というのが、まさにこれです。
例えば、紙で行っていた多段階の承認プロセスを、そのままワークフローシステム(ITツール)に置き換えたとします 。
確かに紙はなくなりますが、承認のステップが多すぎるという「根本的な非効率」は解決していません。
これでは大きな効果は出ませんよね。
業務設計とは、ITツールを入れる前に「そもそも、この承認は本当に必要か?」「3ステップを1ステップにできないか?」と、仕事の流れ自体を疑い、見直すことなのです。
失敗例2:自社の業務とITツールが合っていない
「自社の業務フローと合わないシステムを導入し、コストだけがかかる」 というのも、よくある失敗です。
これは、自社の「あるべき仕事の流れ(業務設計)」が定まっていないうちに、流行りのツールや、営業担当者に勧められたツールを導入してしまった場合に起こりがちです。
業務設計をしていれば、「ウチの理想の業務フローを実現するには、こういう機能が必要だ」という明確なモノサシができます。
そのモノサシを持ってツールを選べば、失敗は格段に減らせます。
失敗例3:「属人化」を放置してIT化した
中小企業では特に、「あのベテラン社員にしか分からない」といった仕事(=属人化)が多いと思います。
資料にも「業務の標準化やマニュアル化が不十分なまま(属人化が残ったまま)、外部ITベンダーに委託しても、期待した成果が得られにくい」 とあります。
業務設計は、この「属人化」を解消する絶好の機会です。
「なぜ、あの人にしかできないのか?」を分析し、誰でもできるように標準化・マニュアル化する 。この土台があって初めて、IT化は効果を発揮します。
資料にある「中身が複雑に絡み合った毛糸玉(属人化されたままの業務)を認識しないまま、いきなり最新のロボット(DXツール)を投入し『早く整理しろ』と命じているようなもの」 という例えは、非常に的を射ていると思いませんか?
まずは「現状把握」から
IT化の失敗は、多くの場合、ツールが悪いのではなく、その前段階である「仕事の流れの整理(=業務設計)」が抜けていることが原因です。
いきなり大きなIT投資をする前に、まずは社長ご自身が、現場の従業員の方々と一緒に「今の仕事の流れ、本当に効率的だっけ?」と、”見える化”するところから始めてみてはいかがでしょうか。
「業務設計」という視点で今の仕事を見直すことが、次のIT化を成功させる一番の近道になるかもしれません。
まずは第一歩として、特定の業務(例えば、請求書の発行プロセスなど)を取り上げて、その流れを従業員の方と一緒に書き出してみる、といったお手伝いもできますが、いかがでしょうか?
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